シムゴルフのクリエイター、シド・マイヤーズへのインタビュー
シド、初めてプレイしたウィル・ライトのゲームはどれだったか覚えてますか?そのゲームの印象はどのような感じでした?
ウィル・ライトのゲームは、もう長いこと楽しんでプレイしてるよ。彼の最初の作品といえば、ずっと昔の「バンゲリング・ベイ」までさかのぼるね。僕のお気に入りは「シムシティ」だけど、最近では「シムピープル」だね。渋滞を緩和させたり、家屋の資産価値を上げたり、昇進するためにやみくもになって新しい交友関係を築くのに数え切れないくらいの時間を費やしてきたんだ。ウィルのゲームをプレイし始めれば、彼のゲームには古いルールなんて当てはまらないということにすぐに気づくはずさ。スコアを最大限に稼いだり、自分の市民を悩ませたり、何か美しい物を作り上げたり、それらの内どのような道をたどることもできるという、うきうきするような自由を感じるんだ。もちろん、ゲームデザイナーとしての僕は、ウィルが開拓してきたアイディアを拝借し、それに僕なりのアイディアを混ぜ合わせてこんなゲームを作ろうという結論に至ったんだ。
現在のプロジェクトについて話をうかがいましょう。「Sim」のようなゲームは、あなたにとってずっと取り組みたかったものなのですか?
このゲーム自体のアイディアは、去年の夏色々な雑誌をぱらぱらめくっている時に、とあるゴルフ雑誌を見て思い浮かんだものなんだ。その雑誌で僕が見つけたのは、小川や丘、芝生、樹木、湿地帯などの美しい地形のパーツを散りばめた美しいマップだった。その企画では、それらの地形のパーツを使って最も面白く、価値があり、攻略し甲斐のあるゴルフコースを作るのが課題だったんだ。おい、こいつはすごいコンピューターゲームに仕立てられるぞ!...と思ったね。ウィルが都市計画を娯楽にすることができるなら、僕は絶対ゴルフコースのデザインを面白いゲームに仕立て上げることができるぞって。そこで「ゲッティスバーグ」からいくつか樹木と地形のデータを取り出し、それから「Poser」でゴルファーのアニメーションを作り、両者を合わせてやっつけの試作品を作ったんだ。その時から僕ははまりっぱなしさ。間もなく僕は樹木を配置し、フェアウェイを少々作り、芝生を敷き、バンカーをいくつか作り、僕の小さなゴルファーを解き放ったんだ。僕のゴルファー達が小さな白いボールをがつんと打って、それが空中に弧を描くのを見守る様には感動したよ。「レイルロード・タイクーン」で列車が走る様子や、「シムシティ」での交通状態をチェックするのと同じ感覚を思い出したね。でも、やがて僕の小さなゴルファー達はコースの善し悪しについて文句を言い始めたものだから、僕はもっと良いコースを求めて次のコースのデザインにとりかかることになってしまったんだ。
ゴルフコース作りに特化したゲームを作るというのはあなたのアイディアなのですか?だったらなぜゴルフコースなのでしょう。
実際、このゲームはゴルフコースをデザインするのを目的として作り始めたもので、美学や心理学、土地の有効利用の組み合わせなのだけれど(ところで、私はTom
Doak氏の「The Anatomy of a Golf Course」という、現代のゴルフコースのデザインに関する著書を読まれることをおすすめするよ)、次第にゴルフを越えたものになって来たんだ。ゴルファー達そのものをより念入りに育てれば、彼等はもっとコースを解析したり、景観を称えたり、自分のプレイに不満を言ったりするし、彼等のナイスショットを誉めたりミスに不平を言ったりすれば、ゲーム自体がもっと面白くなることに気がついたんだ。自分が作ったコースで自分のゴルファーが動くのを見守ることそのものが、このゲームに一味違った素晴らしい醍醐味を加えてくれたのさ。ゴルファーの組み合わせによっては、コースを回る間の話題がビジネスになったり、人間関係や、ライバル意識、恋愛に関するものになるなど変化するんだ。ゴルファー達の組み合わせや、楽しい経験を与えることによって、彼等が幸せ(あるいは不幸?)になるようにストーリーを展開させることもできる。「ボブの上司が池ポチャさえしなけりゃなぁ、彼も昇進できたのに...」とか、「ビリーってば、ちょうど良く冷えたコーラを飲んだおかげでシンディーにプロポーズできてご機嫌なんだってさ。」という具合にね。プレイヤーは、自分だけの物語を作ってインターネットの「SimGolfサイト」で発表することもできるよ。現実のゴルフコースでは、自分が楽しんだり他人との出会いも楽しんだりできるだろう、すなわちゴルフリゾートというのは究極のプレイグランドなんだ。
シミュレーションゲームの中で、今あなたが取り組んでいるゲームに最も近いのは何ですか?そして、どのように?
「シム・シティ」、「レイルロード・タイクーン」、「シムピープル」、「The Bob Newhart
Show」、「シビライゼーション」...もっと新しいタイトルもあるけれど、これらを思い出させる要素があるね。(Maxisが何年も前に作ったSimGolfとは違うのが皮肉ですが)。
それでは逆に、このゲームにどうやって「シド・マイヤー」のゲームとしてのルックアンドフィールを加えるつもりですか?ウィルの作って来たゲームとの違いはどの辺りにあるのでしょうか?
このゲームでは、ゲーム内の要素を構築して経営するのに加え、自分が育てたプレイヤーをプロゴルファーとして育成し、コース上にいる他のプロプレイヤーと戦わせることができるんだ。その対戦相手は他のコースで育てることもできる。SGA('Sim
Golf Association')と呼ばれるトーナメントで、他から来たプロとゲーム内の多額の賞金を争うこともできる。
このゲームを作りながら「シビライゼーションIII」を作る余裕は、どのように生み出しているのですか?
あぁ、このところ忙しい日々が続いているよ。Sim Golfのような全く新しいチームと「シビライゼーション」のような昔からあるチームと同時に仕事ができるのは素晴らしいことだね。Firaxisで仕事をしていると両方とも面白くて、できる限り楽しいゲームにしようとがんばるチームと時を過ごすことができて、つくづく幸せなことだと思うよ。
このゲームでお気に入りなのはどのような点ですか?
プレイヤーに様々な行動やゲーム内の世界を探索するチャンスを与えた点が気に入ってるね。試作品の頃からはずいぶんと進歩してきたけれど、プレイヤーには常に自分の道を選ぶ自由をゆだねて来たんだ。とびきり美しいコースを作ることもできるし、攻略する意欲をかきたてるコースも、あるいは常識はずれなコースを作ることだってできる。決めるのは自分なんだ。コースの環境は4つの中から選ぶことができる。アメリカの比較的涼しい海辺にあるような景観の良いなだらかなコースか、アリゾナやラスベガスにあるようなでこぼこした砂漠地帯のコース、スコットランドやイングランドに見られるような風の吹きつける伝統的な景観のコース、あるいはフロリダやハワイによくあるようなイキの良いトロピカルなコースだ。素敵な庭園や快適なベンチ、贅沢なホテルを用意してプレイヤーを甘やかすかい?それとも巨大なサンドの罠や安っぽい宿屋や背筋が凍るようなショットでプレイヤーをいたぶりたいかい?可能性は無限大なんだ。コースは一つ一つ違うし、ゲームもその度ごとに違う、そしてそれぞれのプレイヤーは自分だけの独自のストーリーを作り出すことが出来るんだ。
長年あなたとウィルの作品に親しんで来たファンに何か一言いただけますか?
ある意味でこのゲームはゲームというものの初期のスタイルに戻ったと言えるんだ。プレイすることの楽しさが何より大切で、今みたいにコンセプトにこだわったり、コンピュータが壊れるほどのグラフィックスを使ったり、宣伝だけがやたらに派手ではなかった頃の。これは気軽に手に取ってプレイできるようなゲームなんだ。それでも楽しいキャラクターや無限に広がる世界、話題性のある新しいビジュアルであっと言わせることは間違いなしだけれどね。
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