現在のチューニングカルチャーの世界的なトレンドはドリフトであるが、"クルマを改造する"というカルチャーの根源を形作ったのはドラッグレースである。決められた直線コースを、2台のクルマどちらが早くゴールするか。この最もシンプルな競争行為が、「より速く」というチューニング世界を生んだのだ。当初は"電柱何本の距離"で競われたというドラッグレースも、やがてオフィシャルな競技へとなり、そのコース距離は1/4マイル、402.33メートルへと決定。このおよそ400メートルという数字が、日本で「ゼロヨン」と呼ばれるようになった由縁でもある。
『NFS』シリーズでは過去に『アンダーグラウンド』でもドラッグレースをゲーム化していたが、一般車も走る公道がコースな上に、そのコース全長もまちまち、複数台でのレースとストリート感を重視した『アンダーグラウンド』流にアレンジされたものだった。しかし『NFSPS』はリアリティを追求したプロレースの世界が舞台なので、ついにドラッグコースによる2台のレースとしてゲーム化。その他にも拘りのディテールが満載なので解説していこう。
まず最初に拘りを感じるのが、バーンアウトをゲームにも取り入れたことだ。バーンアウトとはスタート前に駆動輪のタイヤを空転させ、タイヤ表面のラバーを溶かしてクルマのグリップ力を向上させる作業のことで、実際のドラッグレースでは欠かせない作業となっている。本作はこの作業を巧みにアレンジしてゲームに取り入れている。まずバーンアウト時、タコメーター上にベストなエンジン回転域がグリーンで表示される。このベストな回転域でアクセルをキープできると、画面上のグリップメーターも上昇。しかしグリーンの回転域はどんどん移動していくので、プレイヤーはこのベスト回転域をめがけてアクセル操作を巧みに行うことになる。最大グリップは100%となるが、これはアクセル操作に加えてマシンパワーも必要になるので最初から100%グリップは獲得できない。
このバーンアウトで獲得したグリップ力は、スタート時に分かりやすく反映される。レース時のタコメーターにはグリーンでシフトアップに適した回転数が表示されるが、獲得したグリップ力はスタート前の1速ギアにそのまま反映されるのだ。
つまり100%のグリップを獲得していれば、タコメーター上のグリーンのゾーンが多くなり、仮に25%しかグリップを得られなかった場合はグリーンのゾーンが狭くなり、ベストの回転数でスタートする事がより難しくなるわけだ。
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