私の日記へようこそ。
今、私が興奮しているかって? ほんの少し前まではそうだったけど……
私にインタビューしたいって、先週雑誌社から電話があった。内容は、ソ連軍による南アメリカへの大規模侵攻と、フランスやイギリスで発生した労働者のデモに対する弾圧の噂について。
インタビューの前の日は、第二次世界大戦後に始まったソビエト連邦のヨーロッパや南アメリカへの侵攻と、最近アメリカ沿岸で目撃される正体不明の潜水艦や偵察機に関するファイルを、一晩中かけて読み直してみた。
数えきれないほどのマスコミのドアをノックすること数ヶ月、やっと私たちの話を聞いてくれるところが見つかった! ……と、始めは思ったけれど……。
副編集長との約束は午前10時。でもインタビューなんてフタを開ければ大きなウソ。ファッションブランド「ゲリラ・シック」宣伝のために撮影スタジオで会見が行われた。
穴のあいたデザイナージーンズをはいた「赤色化への警告」のスポークスマンである私は、彼らにとって最高のファッション広告塔になるらしいわね。国際情勢について真剣に話したかった私に、彼らは普段使うマニキュ アのことを聞いてきた……
少しでも私達の主張を伝えることができるのなら……と、どんな質問にも応えてあげなきゃと思っていたのに。結局バカバカしくなって、ドアを蹴って出てきやった。
現実を見つめ直さなければいけないのかもね。それともこの暗い現実から逃げ出してみようかしら?
私たちのやっていることは絶望的だけど、それでも希望を捨てずに進むしかないのよ。
19××年○月△日 ニューヨーク イザベラ








