
| リチャード・キール インタビュー |
2004 1.28 |
俳優リチャード・キールの当り役はおそらく、『私を愛したスパイ』と『ムーンレイカー』に登場したジョーズだろう。『私を愛したスパイ』でジョーズは、ジェームズ・ボンドに殺されることになっていた。にもかかわらず、彼は最も人気のある敵役となり、『ムーンレイカー』で見事復活を果たした。『私を愛したスパイ』でリチャードが演じたのは、このうえなく恐ろしいボンドの敵だったが、『ムーンレイカー』ではうって変わって愛嬌のあるキャラクターになっている。
そして再びリチャード・キールは帰ってきた! 媒体こそゲームに変わったが、またもジョーズ役として。そこで我々007コミュニケ(以下CMQ)編集部は、登録者限定のニュースとして、リチャード・キール(以下RK)に直撃インタビューをこころみた。
CMQ:最初に教えていただきたいのですが、どのような経緯でボンドシリーズと関わるようになったのですか?
RK:私は映画『大陸横断超特急』の裏方として働いてたんですが、エージェントのヘルマン・ツィンメルマンからスタジオに電話がかかってきたんです。ヘルマンはすごく興奮してましたね。何をそんなに興奮してるんだって訊いたら、カビー・ブロッコリが明日、ビバリーヒルズホテルのポロラウンジであんたと昼飯を食いたがってるんだって言うんですよ。私はカビー・ブロッコリが誰だか知らなかったんですが、セットのアシスタントディレクターが知っていて、すぐに「行って来い」って言ってくれんたんです。
カビーに会ったとき、彼からジョーズがどんな化物じみた役柄か説明されました。ハリウッドで長いこと働いていたんで、自分に合った役をやることの大切さはよく知ってました。だから私は、ジョーズを本物のフリークにして、怪物みたいな歯を持つ外見だけでなく、ある程度の弱さもペアにして与えたらどうかと提案したんです。彼もちょうど同じことを考えていましてね。その後、俺を家に招待してくれて、家族と友人に引き合わせてくれましたよ。
その後、カビーとは長い付き合いになるわけですが、私たちはどちらも映画の仕事に真剣で、家族をとても大事にしていました。それが私たち二人が意気投合した理由だったんでしょうね。
CMQ:ジョーズのトレードマークの歯について教えてください。着け心地はどうでした? あれはあなたの口に合わせて作られた物だったのですか?
RK:あの歯のサイズ合わせは、イギリスのパインウッドスタジオのそばの矯正歯科医院でしたんだ。ボクサーのマウスピースに似てますよね? あれは自分の歯の上に被せるんですよ。ものすごく重いし、コバルトとクロムでできているから、金属の味がするんです。それに、上あごにくっつくんで、しゃべることさえできない。最後に聞いた話では、ボンドプロデューサーの故カビー・ブロッコリによって保管されていたそうですよ。
CMQ:敵役を演じる魅力は何ですか?
RK:自分に似ている役を演じるより、悪者を演じるほうがいつだって面白いものです。自分とは似ていない性格を作り上げて、現実の自分にはできない役柄になりきるんですから。
CMQ:ジョーズの人気がこんなにも高いのはなぜだと思います?
RK:ジョーズが社会の犠牲者だからでしょう。それに私は彼に、粘り強さや決断力といった人間的な性格を与えようとしてきました(服にブラシをかけたりとか、ネクタイをまっすぐに直したりとか)。ジョーズはちょっとユーモラスな愛すべき悪役なんです。
『コヨーテ&ロードランナー』(アメリカのアニメ)のコヨーテみたいに、毎回ジョーズは崩れる建物の下敷きになったり、撃たれたり、吹き飛ばされたりしますが、彼は絶対に死にません。
観客の中の多くが、ひょっとしたら、本当にひょっとしたらですが、ジョーズがボンドに勝つかもしれないと思っているんじゃないでしょうか? ボンドが負けて終わりということはないにせよ、彼は不死身に見えますからね。そんな風にしてボンドを苦しめるから、観客にとっては先が読めず、面白いわけです。
CMQ:ゲームに出演して何が一番面白かったですか?
RK:CG化された私が、25年も昔の役を演じているのを見ることですね。たくさんの思い出がよみがえってきましたよ。さらに25年後にもジョーズが人気者なら、これに勝る喜びはありませんね。
CMQ:また他の役でゲームに出演したいですか? 出演するとしたら、どんな役を演じてみたいですか?
RK:ボンドの仲間を演じてみたいですね。
CMQ:ボンドシリーズがこれまで大成功を収めてきたのはなぜだと思いますか?
RK:内容がワンパターンでなく、制作スタッフが全力で過去の作品を越える傑作に仕上げようと頑張っているから、見に行けば必ず入館料に見合う満足を得られるからでしょうね。魅力的なロケーションと絶世の美女、それに個性豊かな敵役の存在も大きいと思いますよ。
CMQ:ジョーズ・ファンに向けて、あなた自身について一言。
RK:007シリーズに復帰して大活躍したいんだけど(『ムーンレイカー』では死ななかったから)、実現するかどうかは制作サイドしだいかな。こんなことを言うのも、ファンにいつも「いつ戻ってくるの?」って聞かれるからなんですが、今のところは製作サイドの意向と合致しないみたいですね。 |