では、1997年のGDCから話を始めよう。といっても、NOXの歴史はもう少し前にさかのぼる。ほとんどのゲーマーたちは、GDCで何がおこなわれているかを知らないし、実際に知る必要もないだろう。GDCとは、厳密にいうと産業的なイベントだ。そこでプログラマーやデザイナー、それにテレビゲームのアーティストたちは、自分たちのゲームをより良いものにするために、ゲーム業界の状況について話し合ったり技法や技術を学んだりする。“Electronic Entertainment Expo”(“E3”)とは違い、GDCにはカメラのフラッシュやおおげさな宣伝は少ない。それは本当の意味で実用的な会議であり、開発者たちはそこで新しいことをいくつも学ぶことができる。また、「次なる大きな計画」に向けた構想のヒントを得ることもできるのだ(この機会がどれほど頻繁に得られることか)。
ここ最近のGDCの役割で、最もおもしろいものの1つに、インディペンデント開発者のためのプログラムがある。これら“ガレージ・ディベロッパー”のためのフォーラムが開かれるのだ。ここで彼らは(1人あるいは2人)1つのゲームについての構想を練り上げ、さらに大きな開発者や発行者と手を結ぶ。その年GDCに参加したインディーズ系の開発者に、マイケル・ブースという男がいた。アイオワ出身の、物静かで熱心な男だ。やがて彼は、ゲーム業界でも際立った存在となり、とても外交的な人物へと成長した。何が彼をそのようにしたのか、それは彼の顔を見ればわかった。その顔には大きな自信があふれていると同時に、ひどい混乱も見て取れた。「ここに来るには、えらくお金を使ったよ。せっかくイカしたゲームを作ったっていうのに、だれもおれの名前を知らないし、取り合っちゃくれなかったからな!」次に挙げるのは、だれもが求めるような開発者たちだ。あまり独り善がりになると、発行者や開発者と一緒には働けない。そう、Westwoodのように。といって謙虚すぎると、いいアイディアを持つ人と仕事はできたとして、周りの目を惹きつけることができない。
マイケルは当時、ドライブシミュレーション装置の会社で働いていた。コンピューターのアルが、85歳のお年寄りにでも運転の仕方を教えられるよう、彼は毎日知恵を絞っていた。だが、マイケルの本当の情熱は、ゲームに向けられていた。それを強く思うあまり、彼はゲームをプレイするだけでなく、プログラムの方法まで習い始めたのだった。仕事の後や週末を使って未完成のゲームをコード化し、しくみを学び、製品の作成に情熱を注いできた。その製品が、NOXである。
NOXは、マイケルが4年間分の夜と週末に注ぎ込んできた情熱の賜物なのだ。GDCで紹介されたNOXは、これから皆さんがプレイするNOXとはかなり違っていた。グラフィックはまだ未熟で、もちろん音響効果はほとんど存在しない。シングルプレイヤーゲームしかなかったのは言うまでもなく、ストーリーの筋立ても乏しいものだった。ただ「幻想世界で、魔法使いと戦う」というコンセプトにとどまっていた。とはいえ、そのゲームを実際にプレイした私は、驚きを隠せなかった。
マイケルが言うには、このゲームの最初のひらめきは、昔のアーケードゲームである“Gauntlet“に、”Magic“のアイディアを少し組み合わせて生まれたらしい。”Gathering“や”Mortal Kombat“タイプの、戦闘ゲームだ。彼が”Magic“で気に入っているのは、敵の魔法をさらに違う魔法で返せるというアイディアだった。同じように”Mortal Kombat“でも、アクションに対してそのカウンターとなるアクションがあり、さらにそれを返すアクションができる。そしてそのコンボを極めたプレイヤーが勝者となる。そこでマイケルは思った。なぜ、アクションと魔法を組み合わせたゲームがないのだろう? ”Magic“の、魔法を返す魔法と、”Motal Kombat“のアクションを返すアクションという要素を使ってプレイヤーが動けるようにすればいい、と。こうして挑戦は始まり、「魔法使いとの戦い」に、脅威的なペースの速さのアクションと、戦闘ゲームの要素を取り入れたのだった。それが、このNOXである。たしかに、マイケルが最初にひらめいたコンセプトはわずかに手が加えられているものの、このゲームはすさまじい勢いで計画が推し進められたのだ!
私はマイケルと2時間にわたってこの最初のバージョンのNOXをプレイしたあと、正直にこう言った。「これは、この週末の会議に見たなかで最もおもしろいゲームだ」と。実際、皆さんがプレイするNOXと、私がGDCでプレイした最初のバージョンの間にそれほど大きな違いはない。それほどマイケルが作ったものは完成度が高かったのだ。2時間のプレイ後、私はこのゲームをWestwoodにほしいと思っていた。
このゲームをブレット・スペリーとルイス・キャッスルをはじめ、Westwoodの幹部たちに紹介したとき、私は実際彼らを説得するのにまったく苦労しなかった。ただ彼らにこのゲームをプレイしてもらい、NOX自身にすべてを語らせるだけで解決したのだ。私たちはさっそく、このゲームのグラフィックと音響の開発に何人の要員を調達しなければならないかを検討し、シングルプレイヤーゲームを商品レベルに達するよう整備した。会計によると、およそ1年半あればリリースまで漕ぎつけるという。マイケルはすでに4年間を費やしてゲーム内容を調整しながら、困難な部分を解決していた。私たちはマイケルに、このゲームを売り出してブームを起こしたいとオファーしたのだった! エメリル・ラガッセの言葉を借りれば、結局うまくいったのだ!
そして、当然ながら、私たちはこの契約を成功に導かねばならなかった。チームを結成し、このゲームを商品レベルに引き上げるべく作業にとりかかった。さらにNOXチームでは、次なるアップグレード作業が進められた。グラフィック、音響効果、それに内容の改善である。そのあいだ――あのヘクバが、ずっと私たちににらみを利かせていたのだった!

# # #
Electronic Arts, EA SPORTS, Maxis, Origin Systems, Westwood Studios, Bullfrog,
Recoil, Command & Conquer, Lands of Lore and Kyrandia are trademarks
or registered trademarks of Electronic Arts or its wholly owned subsidiaries
in the United States and/or other countries. Janes is a registered
trademark of Janes Information Group, Ltd. Blade Runner is a registered
trademark of the Blade Runner Partnership, Inc. Monopoly is a registered
trademark of Hasbro, Inc. PlayStation is a registered trademark of Sony
Computer Entertainment, Inc. Nintendo 64 is a registered trademark of
Nintendo of America, Inc. All other trademarks are the property of their
respective owners
For more information call:
Aaron Cohen or
Chris Rubyor
Westwood Studios
Tel: 702/228-4040 x.362 and x. 339
aaron@westwood.com
chris@westwood.com

 |
Lorem ipsum dolor sit amet, consectetuer adipiscing elit, sed diam nonummy nibh euismod tincidunt ut laoreet dolore magna aliquam erat volutpat. Ut wisi enim ad minim veniam, quis nostrud exerci tation ullamcorper suscipit lobortis nisl ut aliquip ex ea commodo consequat. |