ケンタウリへの旅
EPISODE 4: 絶望という見積もり その2

ガーランド船長はプラヴィン・ラルがパネルを開き、そこに並ぶ起動装置のレバーに触れるのを見守った。指令ユニットの周辺にある暗いスクリーンが明滅し傾斜したタッチパネルがぶーんと音を立てて稼働し始めた。40年間眠っていた電流が突然流れ始めるのに反応し、微量のエネルギーが空気中でぱちぱちとはぜる音を立て、合成された頭脳が目覚めた。 プラヴィンは背筋を伸ばして座り、彼の目の前にあるタッチパネルが次々に起動するのを待ちながら指を曲げ伸ばしした。この船内に救急患者がいない限り、彼はこのコンピュータを操作し、扱いにくい患者をなだめながら診断を下すがごとく、船のデータベースから情報を引き出すのに従事するのであった。

スクリーンがウォームアップする中、ガーランドは辺りを見回した。ユニットはドーナツ状で、直径約10メートル、傾斜した操作盤の上部の壁面に埋め込まれた大きなスクリーンが環状に取り囲んでいる。操作盤の表面は、ユーザーの命令により情報を組み替え、また入出力を受け付けるための平らなタッチパネルで覆われていた。これらのパネルは、船の最中心にある、衝撃吸収コンテナに格納された光学記憶システムの中の膨大なデータバンクへと結びついていた。

プラヴィンは仕事に取りかかった。彼の指は操作パネルの上を舞い、機械との連携が深まるに連れ、彼の黒い瞳はけわしくなっていった。

ガーランドは再び辺りを見渡した。

「ミスター・ラル。」プラヴィンは顔を上げた。ガーランドはユニットの反対側にあるパネルの方向を指差した。それはまるで宇宙のように真っ暗で冷たかった。

「船長、これもです。」かすかにスコットランド訛りのある、軽やかなディアドラの声が聞こえた。また一つパネルが消えた。彼女の声は冷静だったが、ガーランドには彼女の隠している緊張が読み取れた。ラルは最初に壊れたパネルに近づいた。

「ぱっと見た目には何も明らかにはなっていませんが、船長。我々はダメージを受けています。そして、旅が長引くだけその代償を払わねばならないということかも知れません。」 「よかろう。しばらくコンピュータを駆使して、これから何が待ち受けているのかを探ることにしよう。プラヴィン、我々の知りたいことはわかっているな。できるだけ早くダメージについてレポートしてくれ。それから、どれだけミッションに支障をきたしているかも。」

「ディアドラ、サイエンス・コンソールを制御して乗組員のステータスを確認してくれ。何人生き残って、何人覚醒して、何人死んだか。」

ラルはうなずいて席に着き、必要なデータを打ち込み始めた。彼の前のスクリーンにずらりとデータが現れ、損傷報告に目を通した。
「船長、最初のレポートによると、ハイドロポニック・モジュール2と3が深刻なダメージを受けています。同じく隣接した隔壁が駆動障壁を貫通し、構造的欠陥をもたらしています。船体を傷つけることなくドライブを遮断するかどうかが問題です。」

「2と3か。一つしか機能しないわけだな。食糧がどれだけ持つか。乗組員の三分の一、あるいは半分か。」

「この冷凍睡眠から醒めることができるとして、我々の旅がどれだけかかるかにもかかっているな。」

「そして、どれだけの乗務員が残っているかもね。」ディアドラが続けた。「冷凍エリア7からは何の反応もないわ。」

「遮断された障壁を通過。」ラルがつぶやいた。「おそらく死んでいる。全員がだ。」

その瞬間ハッチがきしんで開いた。

死亡者リスト (冷凍睡眠カプセル 反応無し)
タカラ T
ヴァンス H
ミラー A
ストビー T
ルエルモ F
モリン S
リンダール P
ペッターソン D
ランドン K
マネッティエ C
コブレ R [連続メディカル・ログ57562A-7B7]

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