ケンタウリへの旅
EPISODE 35:パート4
暗闇の中を抜けて進むミリアムの背後で、シュレッダーピストルのうなる音が聞こえた。音は近くもなく、遠くもなかった。彼女は戦闘の音を聞き、戦火の中でも乗組員を平静に保とうと、上官達がきびきびと命令を下すのを聞いた。彼女が進んで行くと、行く手に見える一条の光が一瞬消えた...視界の角度が変わったのかしら?それともライトの方が?いずれにしても、消えてしまったの?
油っぽい潤滑剤の匂いが彼女を襲った。私は死の影の谷を進んで行く...。彼女は自分の足音が金属製の床に鳴り響くのを聞いた。彼女の足取りは確かで、落ちついていた。信仰が私達を導いてくれる、彼女は繰り返した。私は精神科の宣教師などよりも、戦う僧侶なのだわ、いずれにしても...。
素早い閃光のような動きが彼女の目を捕らえ、突然、暗く怒りに歪んだ顔がにゅっと現れ、いきなり彼女の足元に居た。突然、ガランという音や叫び声がこちらから、あちらから彼女を取り囲んだ。「この反逆者め!」赤い閃光が彼女の回りを飛び交い、彼女は、暗く細い穴の上にかけられた通
路に立っていることに気づいた。
悪魔共め!
黒くすすけ、怒り狂った顔が彼女を見上げており、彼女の左の足元の金属製のすのこの間から彼女の左足をつかもうとした。ミリアムは急いでそれをよけた...死の谷だわ...この暗く油っぽい穴にかかるすすけた金属の橋。ヤン博士ならこんな場所がお気に入りでしょうね。
彼女はとっさの直感に駆り立てられて走りだした。衝撃が部屋中を満たし、閃光が揺れて壁に影のモンタージュを映し出した。彼女の背後で叫び声が上がり、彼女はまた飛び上がった...恐ろしい痛みの叫び。誰かが撃たれたのだわ!
彼女の後ろで足音ががらがらと響きわたり、彼女はつまづいて転んだ。彼女は両手をすのこ状の床に打ちつけてしまい、這うようにして進んだ...神よ、守りたまえ...と祈るように。
彼等、怒りに歪んだ顔をした兵士達はこの下で戦っているのだわ。私はもうじき接合部へと辿りつく、彼女にはわかった。彼等はベイの間で戦っているのね!
前方に赤いセキュリティのユニフォームを着た女が任務に着いていた。彼女は棍棒のような、改造したシュレッダーを振り回していた。彼女は、その女が別
の乗組員の頬を銃の台尻で殴りつけるのを見、骨の砕ける衝撃音を聞いた。彼女は、強い嫌悪と興奮の入り交じった感情が沸き上がるのを感じた。肌に爪で引っかかれた跡のある者がやって来て、シュレッダーピストルが火を吹いた。
私達は盲目になっているのだわ!
ミリアムはもがくように立ち上がり、駆け出した。心臓がどきどき踊り、天使が彼女の足を持ち上げた。私は死の影の谷を進んで行く...。