ケンタウリへの旅
EPISODE 32:パート2
プラヴィン・ラルはベイをつなぐトンネルを急ぎ足で駆け抜けながら船長に連絡を取ったが何も返ってこなかった。船長のクィックリンクはオフラインになっており、IDバッジも場所が特定できない...プラヴィンは最悪の事態を予想した。
そして今、第5ベイ、獣達の胃袋、闇の生き物、サンチアゴの狼達がうろつく場所へと急いでいた。
どこかで、他のスタッフがそれぞれのベイに向かって走っていた。ある者は皮肉っぽく、ある者は凶悪で、ある者はリーダーとしての理想像を胸に抱く乗組員の待つ場所へ。 どこかで彼等はそれぞれのベイへの出入り口をふさぎ、接続トンネルを切断し、各々の噴射ドライブのテストをしているだろう。
しかし、船長がまだ解除を許していないことをプラヴィンは知っていた。各々のポッドはガーランドの承認コードなしでは切り離すことができないはずだ。もしも、彼の居所がわからなくなってしまったら...プラヴィンは凍りついた。もしも時が満ち、コンピュータが船長のバイオプリントを特定できなくなってしまったら、誰もがユニティ号の本体から着陸ポッドを切り離すことができなくなってしまう。それぞれのリーダーは自由を求めて勝手に動きだすことだろう。 恐怖がプラヴィンの心臓をつかみ、一瞬の内に、彼の中に深く根ざしていた愛する者への想い、何を持っても守りたいという想いが沸き上がった。
この船の中には、まだ眠ったままの魂が息づいていた。それらの運命をなすがままにしても良いのか?彼等の生命を指令センターの支配下に置いたままでも良いのだろうか?
もしも彼等が宇宙空間で死ぬことになっていたとしても、それらの人々に「惑星」にまみえる権利がないと言えるだろうか?彼等の平和が新世界か旧世界かの決断を与えなくても良いのだろうか?
ラル、彼は人道主義者だった。もちろん彼が今最も必要とするのはプリアで、目覚めて、そして生きていて欲しかった。そして、彼には野生の恐怖が彼を襲っているというポーズが必要だった。 船内外科主任。彼はエリートの一人だった。彼には権限があった。
彼はクィックリンクを起動させ、コンピュータを駆使し、セキュリティの奥深くまで探り入った。 ついに...彼は声紋チェックと網膜チェックを潜り抜け、コマンドを手にした。
起動。
船内の冷凍カプセルが一斉に泡を吹いて、凍ったままの魂に火を着けた。
指令: 実行
残った全てのカプセルを解除。