ケンタウリへの旅
EPISODE 24:

サンチアゴは片足を緑色の貯蔵箱にかけ、軽く腰かけていた。だが、彼女の目は刃のようにするどくディアドラを見つめていた。片手は腿の上に置かれ、その手にはシュレッダーピストルが握られており、サンチアゴだけが聞こえるリズムに乗って前後に振られていた。ディアドラは静かに立ち上がり、サンチアゴの視線を受けたまま、彼女のスタッフの小さな集まりの前に立った。

突然、金属的な衝突音が室内の静けさを破った。赤いライトが「温室」の周囲を流れ出した。反乱軍の脅しにも屈しない、ディアドラの植物学者の一人、熟年のブロンド、タラが部屋を横切り近くのターミナルへと向かった。サンチアゴは動いてなかったが、彼女の姿勢は緊張にみなぎり、唇がねじ曲がっていた。

「何が起きたのだ?」彼女はタラにはね返すようにたずねた。彼女はサンチアゴに答える代わりにディアドラに向き直った。

「この部屋への酸素供給が遮断されました。そして、もちろんこの部屋は密封されたままです。彼等がこの部屋の酸素を空にしようとしていることは明きらかです。我々は...おそらく後、もって10分でしょう。意識不明になり、やがて死にます。」

サンチアゴは箱から滑り降りて両足で立った。彼女はクィックリンクにコードを打ち込んだ。「ジュナック、こちらはサンチアゴ。部下をドアから離し、どんな動きも見逃すな。ガードを配置しろ...。」彼女は突然言葉を切り、ディアドラを睨みつけた。ディアドラはしばらく目をしばたかせたが、自分の携帯端末にと目線を落した。

サンチアゴはいきなり距離を詰め、ディアドラの腕を掴んだ。彼女はその手を振りほどきながら、おののいて素早く後ずさった。

「何の真似だ?」サンチアゴは詰め寄った。

「何でもないわ。」ディアドラは答えた。「酸素のせいで、平衡維持力が失われているのです。「温室」のコンピュータが警告を送っているのですわ。」

「見せてみろ。」彼女の口調はまだ傲慢だった。ディアドラは片手を伸ばし、小さい平らなスクリーンにスクロールコードを打ち込んだ。

「くだらない。」サンチアゴは考え込みながら言った。スクリーン上には科学的な大気のバランスを表わす記号が点滅していた。「ここには酸素はないのか?緊急用のストックはどこにあるのだ?」

「あそこのサポートビームの下に...。」ディアドラは、「温室」の遠くの端にあるアーチを指差した。「私達があれからも遮断されていなければ。」

「お前、」サンチアゴはタラを指差した。「あのパネルを調べろ。酸素がないのかどうか確かめるのだ。」再びディアドラに向かい、「急いで考えるのだ、士官。ここには化学薬品があるはずだ。どうにかして酸素を作り出せないものか?」

「そ...そうは思えないのですが、」ディアドラは考えた。この女は極度に頭が切れるわ、彼女は悟った。気をつけなければ...。「ストックをチェックしてみましょう。もしかしたらできるかも...。」

「さっさとやれ。カーン、彼女を見張れ、」サンチアゴは仲間の小柄な禿頭の男に言った。ディアドラが、背の低いオリーブの木立の後ろに積み重ねられたストックのキャニスターに向かうと、彼は背後について来た。「ガーランド船長、こちらはサンチアゴ。そちらの行動は弁解の余地がないと見た。ここに捕獲してある部下の事が心配ではないのか?」彼女は腹立たしげにクィックリンクを見た。「奴等は聞いていないな。」

そして彼女は目線を上げた。まるで森の風に吹かれた木々のように、ディアドラの部下は皆一斉にクィックリンクを見つめて背をかがめ、メッセージを読んでいた。彼等は一斉に倒れだし、床の上に身を投げた。

本能的に保護を求め、サンチアゴは弾かれたように壁に身を寄せた。

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