ケンタウリへの旅
EPISODE 21 パート2:

ザハロフは将校食堂の中に立ち、興奮刺激剤の入った熱い湯をすすっていた。指令センターではラルとその他の者が、モーガンの存在がこのミッションにどのような影響を与えるか急いで知ろうとして彼を質問攻めにしていたが、ザハロフは気にもとめていない様子だった。熱い液体が喉を潤すと同時に目を閉じ、ユニティ号の修復が与えるストレスからの一時的逃避を楽しんでいた。

彼の後ろで、ドアが勢い良く開いた。彼は振返り、ミリアムが食堂を横切って、小さな金属製の流しに向かうのを見た。そしてミリアムが冷たい水を顔に浴びせるのを眺めていた。ついに彼は口を開いた。

「あなたの信仰と心理学は、この船の修復には役に立ちそうにありませんな、将校。そういったものは説教台のために取っておくんですな。」

「役に立ちますとも。」彼女は、白い薄手のタオルで顔を拭いながらそっけなく言った。 「どちらもあなたの技術情報や精密機器と同じように、このミッションにとって大切なものです。」

「そうかね?」彼はふっと笑った。「私のエンジニアに、手を携えてケンタウリに連れて行けと祈れとでも言うのかね?神は原子を変えることもできるのかね?」

「神と信仰は全てを変えることができます。実際、私にとっては原子よりも神の方が容易に目にすることができるのです。」彼女は片手を持ち上げた。「このような困難に立ち向かう際、信仰は私に力を授けてくれます。あなたはいかが?」

ザハロフは、両手で金属製のカップを握り締め、腹立たしげに彼女を見ながら、手の震えをミリアムに気取られまいと努めた。「あなたの信じるものが時代遅れにすぎないということがわかるだけで、私は落ち着きますがね。」

「そうかもしれませんわね。でもあなたの部下達の目には恐れが感じられますわ。科学を信仰とする者は皆、明日には死ぬかもしれないということがわかっているのです。肉体を遠くから眺めるようなものです。」

「無意味な見解ですな。原子は存在する。神は存在しない。あなたは人々に幻想を抱かせているだけだ。」

彼女は彼を注意深く見た。「私の信仰は存在します。それがなければ世の中はもっと違う場所になってしまうでしょう。私の信仰、私の行動は違います。私の人生の中で起こる様々な出来事に対する反応も違います。信仰があれば、私はあなたを...憐れむ代わりに、冷静な目で見ることができるのです。」

「憐れむだと?」彼は大声で笑った。「あなたの経験はすべて個人的なものだ。」

彼女は考えながらタオルで手を拭った。「あなたが私の子供を殺したとします。信仰があれば、私は復讐しようとはせず、心は癒されるでしょう。信仰がなければ、私はあなたを殺すか、苦しい思いで生きていくことしかできないでしょう。信仰は私の人生を変えてくれました。」ミリアムは、今や彼に向き直り、手袋を投げて挑戦するかのように二人の間のカウンターに白いタオルを投げつけた。「原子にそのような真似ができるかどうか見せてほしいものだわ。」

「リチウム。」ザハロフは言い、死に神のような薄笑いを浮かべた。「あなたの体内に化学物質を注入すれば、気持ちは暗くなり、その信仰など破ることもできる。」 「不可能ですわ。」彼女の瞳はおだやかだが、挑戦的であった。

「これは実証されたことだ。科学的に有効なのだ。あなたが否定することはできない。」

今度は彼女は黙っていた。だが、彼の視線から目を離さずにいた。彼はまた金属のカップを握る手に力が入るのを感じた。彼はとうとう口を開いた。それはつぶやきに近かった。「信仰を計測することはできないだろう。人間は原子だ、それ以上のものではない。あなたという原子の形態が、神と呼ばれる何かを信仰したとしても意味のないことだ。あなたのような一族、改革家達が人類を一世紀以上も後戻りさせているのだ。」

やにわに彼女は彼の元に近づき彼の両手をとり、強く握った。彼は彼女の手の暖かさを感じた。同時に自分の手の震えも感じ、それが彼女に伝わっているということもわかっていた。彼女は目を閉じた。

「あなたの原子はあなたを裏切りますわ。」優しく言って、その手を離した。「あなたが企てる全ての戦いは、その目的はあなたにも限定できないものです。科学を信仰なさい。なぜならそれはあなたを安心させてくれるでしょう。船を救いなさい。なぜならあなたはそれを大いなる実験であると思っているのでしょうから。死のうが生きようが、何も変わりはしません。神は、私を待っているのと同じくあなたのことも待っていらっしゃるのです。」

「もうたくさんだ。」ザハロフは吐き出すように言い、金属製のカップをカウンターに叩きつけた。「もう時間がない。祈ろうが祈るまいが、船は修理される。そしてあなたは私に感謝することになるのだ、精神科の宣教師様。」彼は振返り、部屋を出た。ミリアムは黙って彼が出て行くのを見守った。そして彼女の目は天井の白い空間をさまよった。

クイックリンク、ダナ少尉
プラヴィン・ラルへ
船内の密航者の記録は確認できません。彼は全く健康なまま睡眠から目覚めました。
彼をあなたの元に送ります。護衛をつけて...

 

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